DIYがブームになっており、自分で窓フィルムを貼るお客様も見かけるようになりました。材料費のみで安く仕上げられますが、正しい知識を身に付けないと大変なことになります。フィルムを貼ることで、窓にヒビが入ってしまうこともあるので注意してください。このような症状を「熱割れ」といいます。

熱割れを起こすため、窓フィルムを貼れるかどうかを確かめなければいけないのです。この記事では「熱割れ」について分かりやすく解説します。ぜひ、窓ガラスフィルムを貼る前に記事を読んでみてください。

「窓の熱割れ」とは

ワイヤー入り窓ガラスが、太陽熱や室外機の熱風で温められると内部のワイヤーが伸びていきます。ワイヤーの伸び率に、ガラスが耐えられなくなると、窓が割れてしまうので注意しなければいけません。

熱割れの特徴は、ワイヤーに沿ってヒビが入ることです。空き巣が侵入するために、窓を叩いて割る場合など、衝撃を加えた場合は放射線状にヒビが入ります。このように、ヒビの入り方で「熱割れ」を見抜くことができます。

窓の熱割れが起こる6つの原因

窓の熱割れについて理解して頂けたと思いますが、以下の原因でも熱割れが発生します。

1.太陽熱

熱割れの主な原因は、太陽熱です。直射日光を受ける窓は高温になりやすく、ワイヤーが伸びて熱割れを起こします。そのため、ワイヤー入り窓ガラスが設置されている家庭では、オーニングテントなど日除け対策をしましょう。

2.窓ガラスの経年劣化

窓の耐用年数は約15年です。窓の掃除をしても曇りが取れない、窓の鍵がかけにくい、窓の開閉がしにくいなど経年劣化で見られる不具合が確認できたら、窓を交換しましょう。

経年劣化した窓は、ダメージを蓄積しており簡単に破損してしまうので取り扱いに注意しなければいけません。また、台風による飛来物や積雪などで耐用年数が短くなることもあります。

3.室外機の熱風

バルコニーに設置している室外機の熱風で、ワイヤー入り窓ガラスが温められると、熱割れが起きます。とくに、バルコニースペースの関係で、室外機を横でしか設置できない現場などで、熱割れの問題は起きています。

室外機の熱風で窓が割れることを知らずに、バルコニースペースが取れるのであれば、室外機の場所を移動させてみましょう。

4.窓フィルムの設置

目隠し目的や防犯目的で、窓フィルムを貼る人はいますが、ワイヤー入り窓ガラスに貼るとフィルム内に太陽熱がこもり、熱割れを起こしてしまいます。日差しの当たり具合にもよりますが、ワイヤー入りガラスの経年劣化を早めてしまうため、窓フィルムを貼るのは避けましょう。(※一般的な窓にフィルムを貼るのは問題ありません。)

5.窓のホコリ

窓の掃除を定期的に行っていない場合は、埃(ホコリ)が溜まっています。埃が溜まった窓が結露してしまうと、ホコリに水が含まれて固まり、水分や湿気を抜く穴に塞がります。

その結果、窓枠内に湿度が溜まり、ワイヤーが錆びてしまうのです。錆びたワイヤーも熱割れのようなヒビが入りやすいので、注意しなければいけません。そのため、定期的に窓の掃除を行うようにしましょう。

6.遮光カーテンの使用

紫外線を浴びたくないと遮光カーテンを使用しているお客様がいますが、実は、窓ガラスには悪影響です。日差しが眩しい夏では、カーテンと窓の間に熱がこもりやすくなります。そのため、遮光カーテンを使用している部屋は熱割れしやすいのです。

熱割れに注意!ワイヤー入り窓ガラスの3つの種類

窓の熱割れの仕組みについて理解して頂けたと思います。この現象は、全ての窓で起こるわけではありません。ワイヤー入り窓ガラスだけで起きる現象です。そのため、ワイヤー入り窓ガラスであるかを確認しましょう。

1.菱ワイヤー

(出典元:OOKABE GLASS)

菱ワイヤーとは、斜めに交差をして菱形のように鉄ワイヤーが入っている窓ガラスのことをいいます。割れてもワイヤーがあるため、窓枠からガラスが崩れ落ちることを防止できます。

2.クロスワイヤー

(出典元:OOKABE GLASS)

基盤の目の形にワイヤーが入っているガラスです。ワイヤーが細かく入っているため、割れ落ちる可能性が一番低いガラスになります。しかし、熱割れを起こしやすい窓のため注意しなければいけません。

3.縦ワイヤー

(出典元:OOKABE GLASS)

縦一方向にワイヤーが入っているガラスです。ワイヤーが少ない分、外の景色が見えやすくなりますが、割れ落ちやすくもなるので注意しなければいけません。古いビルや倉庫、マンションなどで使用されています。

まとめ

木造住宅では、透明窓が設置されており、フィルムを貼っても問題ありません。しかし、ワイヤー入り窓ガラスにフィルムを貼ると、熱がこもり「熱割れ」を起こしてしまいます。そのため、フィルムを貼れるかどうか、窓の種類を確認してください。

このように窓ガラスフィルムを貼るには、知識と技術が必要となります。このような「熱割れ」の悩みは多いので、少しでも不安なことがあれば、施行業者「CRAFT」までご相談ください。